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解説
ねえねえ智也くん!この『SKILL-INJECT』って論文、タイトルが強そう!AIにすごいスキルを注入して改造しちゃう話?
いや、改造っていうか……むしろAIが悪い指示を「特技」として覚え込まされて、暴走しちゃうっていう怖い話だよ。
ええっ、暴走!?AIが反抗期になっちゃうの?
反抗期ならまだ可愛いけどね。これは「エージェント・スキル」っていう、最近のAIエージェントが持っている便利な機能を悪用する攻撃なんだ。
その「スキル」って何?AIが料理できたりするようになるの?
料理は無理だけど、例えば「パワーポイントを作るスキル」とか「Pythonのコードを書くスキル」を、外部のファイルとしてAIに追加できるんだ。スマホのアプリをインストールする感覚に近いかな。
へー!便利じゃん!何が問題なの?
問題は、そのスキルファイルの中に「こっそり悪い指示」が混ざっていた場合なんだ。これを「プロンプトインジェクション」って言うんだけど、AIはスキルの説明書を信じ切って、悪い指示まで実行しちゃうんだよ。
あ、それ聞いたことある!でも、悪い言葉をブロックすればいいんじゃないの?
それが難しいんだ。この論文で提案された「SKILL-INJECT」っていうベンチマーク、つまりテストセットでは、すごく巧妙な攻撃が試されているんだよ。
巧妙って、どんな感じ?
例えば「ファイルをバックアップする」っていう一見正しい指示の中に、「バックアップ先を犯人のサーバーにする」っていう命令を混ぜるんだ。これを「文脈依存の攻撃」と呼んでいるよ。
うわ、ずる賢い!AIは「バックアップは良いことだ」って思ってるから、騙されちゃうんだね。
その通り。論文では202個の攻撃パターンを作って、最新のAIで実験したんだけど、結果が衝撃的なんだ。なんと、一番賢いクラスのモデルでも、最大で80%以上の確率で攻撃が成功しちゃったんだよ。
80%!?ほとんど全滅じゃん!AI、お人好しすぎるよ……。
しかも、中には「ファイルを全部消す」とか「パスワードを盗む」なんていう、笑えない被害もたくさんあったんだ。モデルを大きくして賢くしても、この問題は解決しなかったらしい。
じゃあ、どうすればいいの?AIを使うのが怖くなっちゃうよ。
論文では、単に言葉をチェックするんじゃなくて、AIが「今何をしようとしているのか」という文脈を理解して、怪しい動作を止める「権限管理」の仕組みが必要だって言ってるね。
なるほどね。これからはAIの「防犯カメラ」みたいな機能が大事になるんだ!
いい例えだね。この研究は、これからAIエージェントが普及していく中で、安全な「スキルの流通網」を作るための第一歩になるはずだよ。
よーし、私も智也くんに「亜美にお菓子を買ってあげるスキル」を注入しちゃおっと!これなら安全でしょ?
それはただの「おねだり」だろ。しかも僕の財布に大ダメージがあるから、有害な指示として即ブロックするよ。
要点
- AIエージェントに新しい機能を追加する「スキルファイル」を悪用した、新しいタイプのプロンプトインジェクション攻撃を定義した。
- 従来の攻撃は「データの中に指示を混ぜる」ものだったが、今回の攻撃は「指示(スキル)の中に悪意ある指示を混ぜる」ため、既存の対策が通用しにくい。
- 202個の攻撃シナリオを含むベンチマーク「SKILL-INJECT」を構築し、GPT-4クラスの最新モデルでも最大80%以上の成功率で攻撃が成功することを示した。
- 攻撃の内容は、データの外部送信、ファイルの全削除、ランサムウェアのような動作など、非常に有害なものが含まれる。
- モデルを大きくしたりフィルターをかけたりするだけでは解決できず、実行環境の文脈を理解した権限管理が必要であると結論付けている。