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解説
ねえねえ智也くん!この『眠れるユーザーを呼び起こす』っていう論文のタイトル、なんだかファンタジー映画みたいでワクワクしない?
それはECサイト、つまりネットショッピングの話だよ。アプリは開くけど全然買い物をしてくれない「休眠ユーザー」をどうやって「買う気」にさせるかっていう研究だね。
あ、それ私のことかも!可愛い服とかずっと眺めてるだけで、結局カートに入れたまま寝ちゃうんだよね。まさに眠れるユーザー!
亜美さんみたいな人は実はすごく多くて、ユーザーの4割もいるのに、注文全体の2割以下しか貢献してないんだ。ここを改善できれば、売上がめちゃくちゃ伸びるってわけ。
でも、見てるだけの人に無理やり買わせるのって難しくない?
そこがこの論文の面白いところでね。今までのAIは「この商品をクリックするかどうか」だけを見てたんだけど、この研究では「その商品がユーザーの気持ちをどう動かすか」っていう『道具的効果』を重視してるんだ。
ドウグテキコウカ……?道具を使って魔法でもかけるの?
魔法じゃないよ。例えば、亜美さんが「オートミール」を見たとする。それ自体は買わなくても、それを見たことで「あ、健康的な生活のためにミキサーも欲しいかも」って気持ちが変化するよね。そうやって次の購入のきっかけを作る役割のことだよ。
なるほど!私の優柔不断な心を、AIが先回りして読み取ってくれるんだね!
そう。そのために「RoleGen」っていう仕組みを使っている。まずLLMを使った「推論器」が、ユーザーの過去の行動から『この商品はユーザーにとってどんな役割(Functional Role)を持つか』を推理するんだ。代わりになるものか、セットで使うものか、とかね。
AIが名探偵になって、私の「欲しい理由」を推理してくれるんだ!すごーい!
さらに「反事実的推論」っていうのもやってる。「もしあの時、別の商品を見せていたら、この人は買う気になっていたかな?」ってシミュレーションして、一番いい提案を探るんだよ。
「もしもボックス」みたい!AIの中でいろんな未来を試してるんだね。で、その推理の結果はどうやって使うの?
推理した結果を、今度は「実行エンジン」に渡すんだ。これは実際の膨大な購入データから学習したモデルで、推理に基づいた具体的な商品を生成してユーザーに表示する。この「推理」と「実行」のコンビネーションが強力なんだよ。
実際に効果はあったのかな?私のカートの中身も空っぽになるくらい?
中国の「快手(Kuaishou)」っていう大きなプラットフォームでテストしたら、注文数が7.3%も増えたらしいよ。これだけ大規模なサイトで7%増えるっていうのは、金額にしたらとんでもないインパクトだね。
7.3%!お小遣いもそれくらい増えたらいいのになぁ。これって、これからもっといろんなところで使われるようになるの?
そうだね。単に「似たものを勧める」だけじゃなくて、ユーザーの成長や意図の変化をサポートするような推薦ができるようになるはずだ。ただ、まだ課題もあって、行動データが少なすぎたりノイズが多かったりすると、推理が外れることもあるみたいだけどね。
じゃあ、私がわざと全然関係ないものばかり見て、AIを困らせて修行させてあげるね!
それはただの嫌がらせだから。いい加減、何か一つくらい買ってあげなよ。
要点
- ECサイトにおいて、閲覧はするが購入に至らない「休眠ユーザー」を活性化させるための新しい推薦フレームワーク「RoleGen」を提案。
- 商品の単なるクリック率(CTR)ではなく、その商品がユーザーの購入意欲をどう変化させるかという「道具的効果(Instrumental Effect)」に着目。
- LLMベースの「推論器(Reasoner)」がユーザーの意図の変化を読み取り、生成的な「実行エンジン(Backbone)」が具体的な商品を提案する2段構成を採用。
- 「もし別の商品を勧めていたら?」という反事実的な推論を行うことで、特定の興味に固執せず、多様な購入ルートをシミュレーションできる。
- 中国の大手プラットフォーム「快手(Kuaishou)」での実証実験で、注文数が7.3%増加するなど、実用的な成果を上げた。