解説ねえ智也くん、この論文のタ…
解説
ねえ智也くん、この『LLMの出力の長さを予測する』っていう論文、タイトルが面白そう!AIがどれくらい喋るか、予知しちゃうってこと?
そうだね。ただの予知じゃなくて、LLMを動かすサーバーの無駄をなくして、もっと速く安く動かそうっていう真面目な研究だよ。
無駄?AIっておしゃべりしすぎると疲れちゃうの?
いや、計算リソースの話だ。複数の質問をまとめて処理する時、一番長い回答が終わるまで、短い回答の処理も終われないんだ。これを『バレル効果』って呼ぶんだけど、その間の空き時間を埋める『パディング』という無駄な計算が発生するんだよ。
あー、足の遅い子に合わせてみんなでゴールしなきゃいけないルールみたいな感じ?それは確かに時間がもったいないね!
その通り。だから、事前に出力の長さがわかれば、同じくらいの長さの質問をグループ化して、効率よく処理できる。でも、これまでの予測方法は別のAIモデルを使うから重かったり、精度が悪かったりしたんだ。
じゃあ、この論文はどうやって解決したの?
この論文が提案した『EGTP』は、LLM自身の『脳内(内部状態)』を再利用するんだ。特に『エントロピー』、つまりAIが次の言葉をどれくらい迷っているかに注目して、重要な情報を抜き出すんだよ。
エントロピー……。私が今日のランチをパスタにするかラーメンにするか、めちゃくちゃ迷ってる時のモヤモヤみたいなもの?
……まあ、概念的には近いかな。その『迷い』が大きい部分に、出力の長さを決めるヒントが隠されていることを彼らは突き止めたんだ。さらに、生成の途中で『あとどれくらいで終わるか』を何度も予測し直す『PLP』っていう仕組みも作った。
途中で予測し直すの?それって、話し始めてから『あ、やっぱり長くなるかも!』って気づく感じ?
そう。特に強化学習みたいに、同じ質問でも毎回答えが変わるような場面では、この動的な予測がすごく効くんだ。実験では、従来の方法より予測のズレを30%近くも減らせたらしいよ。
30%も!すごいじゃん!これがあれば、もっとサクサクAIが使えるようになるんだね。
そうだね。ただ、まだ非常に長い文章や、複雑な推論が必要な場合には限界もある。今後はもっと多様なモデルや状況で試していく必要があるだろうね。
なるほど〜。ねえ智也くん、この技術で智也くんの説教があと何分で終わるかも予測してほしいな!
……僕の説教は君が反省するまで終わらないから、予測するだけ無駄だよ。
要点
- LLMの推論時に出力の長さを事前に予測することで、計算資源の無駄(パディング)を減らし、処理効率を向上させる手法を提案。
- 外部の予測モデルを使わず、LLM内部の隠れ状態と「エントロピー(不確実性)」を再利用するEGTP(エントロピー誘導トークンプーリング)を開発。
- 生成の各ステップで残りの長さを動的に更新するPLP(段階的長さ予測)により、ランダム性の高い生成(強化学習のサンプリングなど)にも対応。
- 新たなベンチマーク「ForeLen」において、従来手法より予測誤差(MAE)を29.16%削減し、システム全体の処理能力(スループット)を大幅に改善した。