解説

AMI HAPPY

ねえねえ智也くん!この『ロールプレイングのためのコード化された有限オートマトン』っていう論文、タイトルがかっこよくて気になっちゃった!これってAIが魔法使いになれるってこと?

TOMOYA NEUTRAL

魔法使いになれるわけじゃないけど、AIが特定のキャラクターになりきって会話する「ロールプレイング」の精度を上げるための研究だよ。亜美もAIとチャットしてて、急にキャラがブレたり、さっき言ったことを忘れたりされたことない?

AMI SURPRISED

あるある!ツンデレキャラだったのに、急に優しくなって「あれ?」って思ったことあるよ。あれってAIが忘れん坊だからなの?

TOMOYA NEUTRAL

そうだね。今のAIは表面的な言葉のやり取りは得意だけど、その裏にある「今の感情」とか「今の状況」っていう目に見えない状態を管理するのが苦手なんだ。そこでこの論文では「有限オートマトン(FSM)」っていう仕組みを使おうとしているんだよ。

AMI HAPPY

ゆうげんおーとまとん……?なんか、お掃除ロボットの親戚みたいな名前だね!

TOMOYA NEUTRAL

全然違う。FSMは「今の状態」と「何が起きたら次の状態に移るか」を定義した図のようなものだ。例えば、マリオがキノコを取ったら「スーパーマリオ」になる、敵に当たったら「ちびマリオ」に戻る、みたいなルールのことだよ。

AMI NEUTRAL

なるほど!マリオの変身ルールみたいなものか。でも、それをどうやってAIに教えるの?

TOMOYA NEUTRAL

そこがこの論文の面白いところで、「CFSM」っていう手法を提案しているんだ。まず、AIにキャラクターのプロフィールを読ませて、重要な「状態」を抜き出させる。次に、その状態がどう変わるかのルールを、AI自身に「プログラムのコード」として書かせるんだよ。

AMI SURPRISED

ええっ!AIが自分で自分のルールをプログラミングしちゃうの?すごすぎる!

TOMOYA NEUTRAL

そう。例えば「もし敵に攻撃されたら、怒り状態に移行する」みたいな関数を作るんだ。さらに「CPFSM」っていう拡張版では、確率も扱える。100%怒るんじゃなくて、80%の確率で怒って、20%の確率で悲しむ、みたいな複雑な人間らしさも表現できるんだよ。

AMI NEUTRAL

へぇ〜!じゃあ、そのプログラムがちゃんと動くかどうかのテストもしたの?

TOMOYA NEUTRAL

うん。マリオの例や、コール・オブ・デューティっていうゲームのシナリオを使って実験しているよ。普通のAIだと、複数の行動が重なると「今自分がどの状態か」を混乱しちゃうんだけど、この手法を使うと、ちゃんと一貫性を保って行動できたんだって。

AMI HAPPY

すごい!これがあれば、私の大好きなアニメのキャラとも、ずっと完璧ななりきりチャットができるようになるってことだよね?

TOMOYA NEUTRAL

理論上はそうだね。物語の進行に合わせてキャラの性格が変わっていくような、長編のストーリーでも矛盾が起きにくくなる。ただ、課題もあるんだ。キャラの状態が複雑すぎると、コード化するのが大変だったり、計算コストがかかったりするからね。

AMI HAPPY

そっかぁ。でも、AIが自分で自分の「心の方程式」を書いてるみたいで、なんだかロマンチックだね!

TOMOYA NEUTRAL

ロマンチックというか、極めて論理的な制御だけどね。今後はもっと複雑な、何百もの状態を持つキャラでも動くように研究が進むはずだよ。

AMI HAPPY

よーし!じゃあ私も智也くん専用の「有限オートマトン」を作っちゃおうかな!「お腹が空いたら、亜美にケーキを買ってあげる状態」に強制遷移させるね!

TOMOYA ANGRY

それはただの「都合のいい財布状態」だろ。勝手に書き換えるな!

要点

  • LLMを用いたロールプレイング(RP)において、キャラクターの一貫性や内面的な状態(感情や目的など)を維持するのが難しいという課題を解決するための手法を提案している。
  • ゲームデザインで古くから使われている「有限オートマトン(FSM)」を、LLMを使って自動的にコード化する「CFSM(Codified Finite-State Machines)」を開発した。
  • CFSMは、キャラ設定から重要な「状態」を抽出し、特定の行動に対してどう状態が変化するかをプログラム(Pythonのような論理)として記述することで、挙動を制御する。
  • さらに、状態遷移に確率的な要素を取り入れた「CPFSM」により、人間らしい曖昧さや多様な反応も表現可能にしている。
  • マリオのパワーアップ状態やゲームのシナリオを用いた実験で、従来の手法よりもキャラ崩れが少なく、一貫したロールプレイが可能であることを示した。