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解説
ねえねえ智也くん!この『PhysProver』っていう論文のタイトル、なんかカッコよくない?物理を証明するAIだって!
お、よく見つけたね。これは今まで数学に偏っていた「形式的定理証明」を、物理学の分野にも広げようっていう画期的な研究なんだよ。
けいしきてき……ていり?物理って、リンゴが落ちるのを計算するだけじゃないの?
それは計算だね。物理学も数学と同じで、厳密な論理の積み重ねで成り立っているんだ。でも、AIにそれをやらせるのは難しかった。なぜなら、物理学を「Lean4」っていうコンピュータが理解できる言語で書いたデータが少なすぎたからなんだ。
リーン……?ダイエットの話?
違うよ。Lean4は、書かれた証明が論理的に正しいかどうかをコンピュータが自動でチェックしてくれる特別なプログラミング言語のことだ。数学の世界では有名だけど、物理ではまだ未開拓だったんだよ。
へぇー!じゃあ、データが足りないならどうしたの?AIに物理の教科書を丸暗記させたとか?
それだけじゃ足りないから、彼らは「PhysLeanData」っていう新しいデータセットを作ったんだ。既存の物理データに加えて、Claude-4.5っていう高性能なAIを使って「新しい物理の予想」をたくさん作らせて、それをLean4で検証して正解データにしたんだよ。これを「合成データ生成」って呼ぶんだ。
AIが自分で問題を作って自分で解くなんて、自習してるみたいで偉いね!学習方法もすごいの?
そうだね。学習には「RLVR」っていう強化学習の手法を使っている。特に「GRPO」っていうアルゴリズムが特徴的だね。これは、AIがいくつか回答を出して、その中でどれが一番正しいかを相対的に評価して賢くなっていく仕組みなんだ。Lean4が「その証明は正しい!」って判定したときだけ報酬をあげるから、嘘をつかないモデルになるんだよ。
なるほど、アメとムチ作戦だね!それで、そのPhysProverちゃんはどれくらい賢くなったの?
物理のテスト全体で2.4%も正解率が上がったんだ。量子力学とか相対性理論みたいな難しい分野でもね。驚くべきなのは、物理の勉強をしただけなのに、数学のテストの点数も1.3%上がったことなんだよ。
えっ、物理を勉強したら数学も得意になっちゃったの?それって、私が料理を練習したらなぜか掃除も上手くなったみたいな感じ?
……例えは微妙だけど、本質的な「論理的思考力」が鍛えられたってことだね。物理の複雑な推論を学ぶことで、AIの頭の使い方が汎用的にレベルアップしたんだ。これは、AIが数学以外の科学分野でも活躍できる可能性を示しているんだよ。
すごいじゃん!じゃあ将来は、AIが新しい宇宙の法則を見つけちゃったりするのかな?
その可能性はあるね。ただ、まだ課題もある。物理の概念をLean4に翻訳するのはすごく大変だし、今のデータセットもまだ5,000件くらいで規模が小さい。もっと複雑な物理現象を扱うには、さらなるデータの拡充が必要だね。
そっかぁ。でもAIが物理を完璧にマスターしたら、私のトーストがいつもバターを塗った面から落ちる理由も、論理的に解決してくれるかも!
それはただの不注意か流体力学の問題だから、自分で気をつけるしかないよ。
要点
- 物理学の形式的定理証明(Lean4)に特化した初のAIモデル「PhysProver」を提案。
- 既存の物理学リポジトリと、Claude-4.5を用いた合成データ生成により、約5,000件のデータセット「PhysLeanData」を構築。
- 検証可能な報酬を用いた強化学習(RLVR)とGRPOアルゴリズムを採用し、モデルの推論能力を向上させた。
- 物理学の各ドメインで性能が向上しただけでなく、数学のベンチマーク(MiniF2F)でも1.3%の改善が見られ、汎用的な論理的思考能力の向上が示された。