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解説
ねえねえ智也くん!この『ESAA』って論文、タイトルがかっこいいね!「エサ」って読むの?美味しい話かな?
「イーエスエーエー」だよ、亜美さん。これはAIエージェントがソフトウェア開発をするときに、ミスを減らして正確に動くための新しい仕組みについての論文なんだ。
AIくんが開発してくれるの?すごーい!でも、ミスなんてするの?あんなに頭いいのに。
実は、長い作業になるとAIは「自分が何をしたか」を忘れちゃうことがあるんだ。バグを直したつもりで実は直ってなかったり、勝手にルールを書き換えたりね。これを「状態のドリフト」って言うんだよ。
ええっ、AIくんも物忘れするんだ!親近感わいちゃうな〜。それをどうやって解決するの?
そこで「イベントソーシング」っていう考え方を使うんだ。銀行の通帳みたいに、「いつ、誰が、何をしたか」という履歴(イベント)をすべて消せないログとして保存していくんだよ。
イベント……お祭り?毎日がお祭り騒ぎってこと?
違うよ。ここでのイベントは「ファイルの作成」とか「タスクの完了」といった操作の記録のことだ。ESAAでは、AIエージェントに直接ファイルをいじらせない。AIは「こうしたいです」っていう「意図」をJSONっていう決まった形式で出すだけなんだ。
JSON?ジェイソン?チェーンソー持ってる怖い人?
それは映画だろ。JSONはデータ形式の名前だよ。オーケストレーターっていう管理役が、AIの出したJSONがルールに合ってるかチェックして、OKならログに書き込んでから実際のファイルを更新するんだ。これをCQRS(コマンドクエリ責任分離)って言って、書き込みと読み込みを分けることで混乱を防ぐんだよ。
なるほど!AIくんは「やりたいことリスト」を出すだけで、実際の作業は厳しいマネージャーさんがチェックしてからやるってことね!
その通り。さらに「境界契約(Boundary Contracts)」っていうルールブックがあって、エージェントができることを厳しく制限しているんだ。これによって、AIが暴走して変なファイルを消したりするのを防げるんだよ。
厳しいね〜!でも、それって本当にうまくいくの?
論文では2つの実験をしているよ。1つは簡単なWebページ作り。もう1つは「臨床ダッシュボード」っていう複雑なシステム開発だ。後者では、GPT-5やClaude 4.6、Gemini 3 Proといった4種類の違うAIを同時に動かしたんだ。
ええっ!そんなにたくさんの最新AIが一緒に働いたの?ケンカしなかった?
ハハ、ケンカはしないよ。ESAAのログ機能のおかげで、複数のAIが同時に作業しても、誰が何をしたかが順番通りに記録されるから、衝突が起きてもすぐに検知できるんだ。結果として、50個のタスクを完璧にこなして、システムもちゃんと動いたらしいよ。
すごーい!完璧主義のAIチームだね!これがあれば、将来は人間がプログラミングしなくてよくなっちゃうかも?
そうだね。特に「監査ができる」っていうのが大きい。ハッシュ値っていう暗号技術を使って、過去の作業が改ざんされていないか、いつでも100%再現して検証できるんだ。これは企業のシステム開発ではすごく重要なことなんだよ。
ふむふむ、証拠が全部残るから、AIくんが「やってません!」って嘘ついてもバレちゃうわけだ。厳しいけど安心だね!
ただ、課題もある。ログがどんどん溜まっていくから管理が大変だし、ルール設定が複雑になりがちなんだ。これからは、もっと効率的にログを扱う方法や、より複雑なプロジェクトへの応用が研究されていくと思うよ。
よーし、私もESAAを使って、智也くんが私のプリンを勝手に食べた証拠をログに記録しちゃうぞ!不変の事実として保存だ!
……そんなことに最新のアーキテクチャを使おうとするなよ。そもそも食べてないし、早くレポートの続きを書け。
要点
- LLMベースの自律型エージェントが、長期的なタスクで『状態の不一致(やったつもりになる)』や『文脈の劣化』を起こす問題を指摘。
- イベントソーシング(Event Sourcing)パターンを応用した『ESAA』アーキテクチャを提案。エージェントの思考と、実際の状態変更を厳密に分離する。
- すべての行動を不変のログ(activity.jsonl)として記録し、現在の状態はログから計算して導き出す(マテリアライズドビュー)。
- エージェントに直接のファイル書き込み権限を与えず、オーケストレーターがJSON形式の指示を検証してから実行する仕組みを導入。
- GPT-5やClaude 4.6、Gemini 3 Proといった複数の異なる最新AIを同時に使った大規模な開発実験で、その有効性と再現性を証明した。