ねえ智也くん、この論文のタイト…
解説
ねえねえ智也くん!この『GenProve』ってタイトルの論文、なんかヒーローの名前みたいでカッコよくない?何が書いてあるの?
ヒーローっていうか、AIの『知ったかぶり』を退治する技術だね。AIがもっともらしい嘘をつくハルシネーションを防ぐために、回答の根拠をめちゃくちゃ細かく説明させるっていう研究だよ。
根拠?あー、たまに文章の最後に『出典:〇〇』って書いてあるやつ?
それだと不十分なんだ。どの資料の、どの文を使って、どう考えたのかまで言わせないと、本当に正しいかチェックするのが大変だろ?この論文では、それを『生成時細粒度根拠提示』って呼んでるんだ。
せいせいじ……?漢字がいっぱいで頭が痛いよぉ。つまり、もっと詳しく教えてってこと?
そう。具体的には、AIが書いた一文ごとに『資料Aの2文目をそのまま引用した』とか『資料Bを要約した』とか『資料Cからこう推論した』っていう情報をセットで出させるんだ。そのために『ReFInE』っていう新しいデータセットを作ったんだよ。
へぇー!『引用』と『要約』はわかるけど、『推論』って難しそう。AIにもできるの?
そこがこの論文の面白いところでね。AIを訓練するために『GenProve』っていうフレームワークを提案してるんだ。まずSFT、つまり『お手本』を学習させてから、GRPOっていう強化学習で鍛え上げるんだよ。
じーあーるぴーおー?新しいアイドルグループの名前?
違うよ。複数の回答を生成させて、どれが一番根拠が正しくて文章として自然かを比較して、AIに報酬を与える仕組みのことだ。これで、ただ文章が綺麗なだけじゃなくて、ちゃんと証拠に基づいた回答ができるようになるんだ。
なるほど!それで、そのGenProveくんはどれくらい頭がいいの?
14種類の有名なモデルと比較して、一番いい成績を出したんだ。でも、面白い発見があってね。AIは『そのまま書き写す(引用)』のは得意だけど、『考えて導き出す(推論)』の根拠を示すのは、まだかなり苦手だってことが分かったんだよ。
えー、AIでも苦手なことがあるんだ!なんだか親近感わいちゃうな。じゃあ、これからはAIが嘘をついてもすぐバレちゃうってこと?
そうだね。透明性が高まるから、医療や法律みたいな間違いが許されない分野での活用が期待されてる。ただ、さっき言った『推論の溝』をどう埋めるかがこれからの研究課題だね。
そっかぁ。じゃあ、私も智也くんに宿題の答えを聞くときは、ちゃんと『どの参考書の何ページをどう推論したか』をセットで教えるね!
それはお前が自分で考えるプロセスを放棄してるだけだろ。いいから自分で解け。
要点
- LLMのハルシネーション(もっともらしい嘘)を抑制するため、生成した文章の各文に対して、どの資料のどの文を、どのような論理(引用・要約・推論)で使ったかを明示させる手法を提案。
- 専門家が検証した高品質なデータセット「ReFInE」を構築。これには「引用(Quotation)」「要約(Compression)」「推論(Inference)」という3つの細かい根拠ラベルが含まれている。
- 学習フレームワーク「GenProve」を開発。SFT(教師あり微調整)で形式を覚えさせ、GRPO(強化学習の一種)で回答の正確さと根拠の妥当性を強化した。
- 実験の結果、14種類の主要なモデルを上回る性能を記録。一方で、AIは単純な「引用」は得意だが、論理的な「推論」の根拠を示すのは依然として難しいという「推論の溝」があることを明らかにした。