要点大規模言語モデル(LLM)…
解説
ねえ智也くん、この「MARE: マルチエージェント協力フレームワークによる要求工学」って論文、面白そうだけど、何についてなの?
ああ、これは要求工学(RE)のプロセスを改善するための新しいフレームワークについての研究だよ。要求工学は、ステークホルダーのニーズからソフトウェアの要求仕様を作成する過程のことだね。
へえ、それで、どうやって改善するの?
MAREというフレームワークは、大規模言語モデルを使って、要求工学の各段階で複数のエージェントが協力することで、より正確な要求仕様を生成するんだ。
エージェントって何?
エージェントは、特定のタスクを実行するためのモデルやアルゴリズムのこと。この場合、それぞれがREの特定の部分を担当しているんだ。
実験はどうだったの?
実験では、MAREが他のベースラインモデルよりも15.4%高い性能を示して、より正確な要求モデルを生成できたんだ。
すごいね!これからのソフトウェア開発にどんな影響があるの?
このフレームワークが広く使われるようになれば、ソフトウェアの要求定義がより迅速かつ正確に行えるようになるだろうね。ただ、まだ解決すべき課題もあるけど。
たとえばどんな課題があるの?
たとえば、異なるタイプのプロジェクトに対する適応性や、さらに複雑な要求に対応する能力の向上が必要だね。
ふむふむ、なるほどね〜。でも、智也くんが説明してくれると、難しいこともすっと頭に入ってくるよ!
それは良かった。でも、亜美さんがすぐに理解できるようになるとは思わなかったな。
要点
この論文では、ソフトウェア開発プロセスの要求工学(RE)フェーズにおいて、ステークホルダーのニーズから要求仕様を生成することが重要であるとされています。
最近、深層学習技術がいくつかのREタスクで成功を収めていますが、高品質な要求仕様を得るには複数のタスクと役割の間での協力が必要です。
この論文では、MAREと呼ばれる新しいフレームワークを提案しており、REプロセス全体で大規模言語モデル(LLM)間の協力を活用しています。
MAREはREプロセスを4つのタスク(引き出し、モデリング、検証、仕様化)に分割し、各タスクは1つまたは2つの特定のエージェントによって実施されます。
MAREには5つのエージェントと9つのアクションがあり、エージェント間の協力を促進するために、エージェントが生成した中間要求アーティファクトをアップロードし、必要な情報を取得できるワークスペースが設計されています。
実験結果は、MAREがより正確な要求モデルを生成し、最先端のアプローチを15.4%上回る性能を示しています。